~森のフラッシュ光~ 「ヒメボタル」 Hotaria parvula
ゲンジボタルやヘイケボタルが「水辺のホタル」といわれるのに対し、ヒメボタルは「森のホタル」といわれます。幼虫が、カタツムリやオカチョウジガイなどの小さな陸貝を食べながら、陸上でくらすからです。
ヒメボタルは体の割に強い光を発光します。オスの群れが飛びながらチカッチカッと光りはじめると、メスは草の上にはいのぼり、目立つ場所で光の信号を送ります。こうして飛べないメスはオスを呼びよせて、交尾することができるのです。
また、メスがあまり移動できないため、今すんでいる場所がすみにくくなったからといって、すみ場所をほかへ移すことは簡単にできません。さらに、幼虫は1 年から2年かかって成虫になります。環境がかわらないこと、そっとしておかれることが、生きていくためにとても大切なことなのです。
写真は交尾中のヒメボタルで、左がメス、 右がオスです。その後、産卵された卵(発光した)と1月でも光ったので採集できた幼虫です。(串間研之)