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宮崎の動物 (会誌『わいるどらいふ』より)

 イノシシ Sus scrofa

 イノシシは偶蹄目イノシシ科に属します。ご存じのように、ブタはこのイノシシから家畜化されたもので、中国で発見された1万年くらい前の骨が一番古いということです。
 全国、いや宮崎でもイノシシが実際何頭住んでいるのか、まったく検討もつかない、というほど研究が遅れています。社会は非常に多様です。オスは基本的に単独生活ですが、メスは母子グループやメスグループを作っているということです。
 食性は典型的な雑食性で、植物の根、昆虫、ミミズ、蛇などの小動物など、これも実にバラエティに富んでいます。この融通むげ さが、この種を全国にはびこらせている原因かも知れません。
 イノシシの生息痕跡として、糞、掘り跡、体こすり木、ヌタバ、カリマ(寝床跡)などがあります。これらを見つけたら回りで剛毛を探 してみてください。(岩本俊孝)


 〜森のフラッシュ光〜 「ヒメボタル」 Hotaria parvula

 ゲンジボタルやヘイケボタルが「水辺のホタル」 といわれるのに対し、ヒメボタルは「森のホタル」といわれます。幼虫が、カタツムリやオカチョウジガイなどの小さな陸貝を食べながら、陸上でくらすからです。
 ヒメボタルは体の割に強い光を発光します。オスの群れが飛びながらチカッチカッと光りはじめると、メスは草の上にはいのぼり、目立つ場所で光の信号を送ります。こうして飛べないメスはオスを呼びよせて。交尾することができるのです。
 また、メスがあまり移動できないため、今すんでいる場所がすみにくくなったからといって、すみ場所をほかへ移すことは簡単にできません。さらに、幼虫は1 年から2年かかって成虫になります。環境がかわ らないこと、そっとしておかれることが、生きていくためにとても大切なことなのです。
 写真は交尾中のヒメボタルで、左がメス、 右がオスです。その後,産卵された卵(発光した)と1月でも光ったので採集できた幼虫です。(串間研之)


 オヒキコウモリ Tadarida insignis

 オヒキコウモリ科に属し、頭胴長約10p、尾長約5cm、翼開長約45cmで日本に生息する食虫性コウモリの中では一番大きい種です。名前のとおり長く突出した尾を持ちます。実はこのコウモリ、1996年に宮崎県門川町枇榔島で集団が見つかり、国内で初めて生息が確認された貴重なコウモリです。それまでは、大陸からの迷行と考えられていました。また、1999年には広島市内の高校校舎で400頭余りの集団ねぐらも見つかり、繁殖も確認されました。1996年以前、カンムリウミスズメの夜間調査中に、移動しながら「チッ、チッ、チッ、チチチチ・・・」と鳴く声を聞き、「何だろう、虫の声かな! (人に聞こえる声を持つコウモリなんて知らなかったの で) 」とずっと聞き流していました。1996年になって、当時東邦大の学生だった佐藤美穂子さんがコウモリだと気づき、鹿児島国際大学の船越公威教授に連絡し、オヒキコウモリだと確認されました。現在、県内で生息が分かっている場所は、枇榔島・小枇榔ですが、他の島にも生息している可能性は十分あります。(中村豊)


 御崎馬(ミサキウマ) Equus caballus

 宮崎県南部の都井岬に生息する日本在来馬。高鍋藩が1697年に軍馬や農耕馬の牧を開いたのが始まりとされます。一般に野生馬と呼ばれますが、粗放な管理下で自由放牧されて再野生化した馬群です。肩高約130cm、体重は250kg前後、日本の馬では木曽馬などと同じく大型品種です。採食は1日に18時間以上で、夜も休むことなく食べ続けます。立ったまま休息することが多く、まどろみの状態で30分程度しか続けて休みません。繁殖期の春にはシバ草地でハーレム群を形成しますが、冬には群を解散して森林内を主な生息地とします。アジア馬の原始的形質が品種改良されずに残っており、行動学的にも遺伝子資源としても貴重で、国の天然記念物に指定されています。


 ニホンザル Mcaca fuscata

ニホンザル 鹿児島県屋久島から青森県下北半島に至る九州、四国、本州とその他離島に分布する。中でも下北半島は世界のサルの生息地の最北限として有名である。頭胴長は50〜70cm、尾長5.5〜7cm、短い毛は一般に暗褐色で長い。大人のオスは15〜16kgぐらい、顔と尻が赤く両頬に頬袋があるのが特徴。普通20〜80頭ぐらいの群れをつくって山地の森林に棲み、半樹上、半地上の生活をし、昼間活動する。雑食性で果実、木の芽、樹皮、昆虫などを食べる。県内広くに分布するが、最近では森林環境が悪くなり農作物を荒らし各地で被害も多い。串間市の幸島の猿はサル学発祥の地として有名で、「いも洗い」「味付け」などの知的行動は世界的にも注目されている。