野生動物たちとの共存を目指して…

オヒキコウモリ

オヒキコウモリ Tadarida insignis

オヒキコウモリオヒキコウモリ科に属し、頭胴長約10㎝、尾長約5cm、翼開長約45cmで日本に生息する食虫性コウモリの中では一番大きい種です。名前のとおり長く突出した尾を持ちます。

実はこのコウモリ、1996年に宮崎県門川町枇榔島で集団が見つかり、国内で初めて生息が確認された貴重なコウモリです。それまでは、大陸からの迷行と考えられていました。また、1999年には広島市内の高校校舎で400頭余りの集団ねぐらも見つかり、繁殖も確認されました。

1996年以前、カンムリウミスズメの夜間調査中に、移動しながら「チッ、チッ、チッ、チチチチ・・・」と鳴く声を聞き、「何だろう、虫の声かな! (人に聞こえる声を持つコウモリなんて知らなかったので) 」とずっと聞き流していました。1996年になって、当時東邦大の学生だった佐藤美穂子さんがコウモリだと気づき、鹿児島国際大学の船越公威教授に連絡し、オヒキコウモリだと確認されました。

現在、県内で生息が分かっている場所は、枇榔島・小枇榔ですが、他の島にも生息している可能性は十分あります。(中村豊)

PAGETOP